前述のような経緯で満月祭コンサートが決定した。
会場は練馬の向山庭園で、お茶会もしましょう、という話しになり、 企画の山村真里奈さんに連れられ、阿佐ヶ谷にある星岡の井関脩智先生のお宅を 訪問することになった。 当日お茶のお稽古をしているところへお邪魔し さっそく先生に楽器の説明などし、少し音を出すやいなや、お稽古にいらしていた お弟子さんが、「それいいわね、私もほしいわ」とあまりにあっさりと おっしゃるので、半信半疑だったが、見事そのかたは、4月の佐谷さんの ところを一番乗りし、超スピードで波紋音をゲットされたのであった。 (なずなの花展コンサートにそのことが書いてあります。) そんなことがあったあと、お抹茶をいただき、久しぶりに雅なひとときをすごさせていただいたのである。
さて、コンサート当日、茶室でお茶会はある、点心はは出る、献茶のセレモニーも ある、で楽屋裏はてんやわんや。小さい台所でプロの料理人がすばやく 作業している様子は、なかなか見ごたえがあった。
さて、開場の時間になると、和服姿の 落ち着いたおご婦人方がお見えになり、 いつもの私のコンサートとはちょっとちがう風景だ。
巫女舞いもあり、月の精が衣装に舞い降りる、という儀式もある。 儀式を終えた衣装は丁寧に運ばれ、私のところまで手渡され、 その衣を私がまとう、という段取りだ。
井関先生の美しい献茶パフォーマンスが終了すると、私の出番である。
月の精が舞い降りた衣(秦泉寺由子さんが竹で染た白い衣装)を身にまとい しずしずと歩いていくと、もうほとんど気分は「かぐや姫」である。
薄暗い明りの中、和服姿のご婦人たちに、こういう音楽はどうかな〜と少し 不安を感じながら演奏したのだが、演奏がおわると、よかったですよ〜と声をかけてくださりほっとする。
こうして、なが〜い一日は無事おわったのです。
会を企画してくださった、山村真里奈さんはじめ、スタッフの方たち、 ありがとうございました。
*写真は暗いですが、私が月の精をまとって、しずしずと登場した瞬間のものです。
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