■ 07/3/17〜19 国際芸術センター青森・ワークショップ     「イタドリで作る雨音」2007.3.22

昨年に引き続き、今年も青森のACAC(国際芸術センター)へいってまいりました。
今年は、イタドリという植物で雨音(レインスティック)を作りました。イタドリという植物を御存知の方もいらっしゃるでしょうが、スカンポとも呼ばれなぜか歌もある。(♪土手のスカンポ、ジャワ更紗〜♪)この植物は中が空洞なため竹と同様楽器つくりに最適です。この植物と出会ったのは、昨年10月に北海道の置戸というところでコンサートしにいった時です。地元の陶芸家がイタドリでつくった自作のレインスティックをもっていたのです。竹より軽く、音もやさしいので、これはいいな、とおもいました。

さっそく、ACACのスタッフ椎さんにこのことを報告したところ、イタドリなら青森にもありますよ、ということで、では、今年はイタドリのレインスティックをつくりましょう。ということになったのでした。
ただし、切ったばかりのイタドリでは、加工できず、充分な乾燥が必要なため、さっそく材料集めしていただくことになった。乾燥させると、収縮するので、太いイタドリも若干細くなるそうです。
こういった、見えない下準備があって、参加者は楽に作ることができるわけです。
ついでに言うと、竹の場合も、油ぬきという作業が必要です。切っただけの生の竹だと加工しても永持ちしないそうです。

レインスティック作りそのものは、筒状のものに、つまようじや竹ぐしなどを螺旋状に刺し、米や、豆、など音になるものを入れるだけのシンプルで比較的簡単に作れる楽器です。それでいて音が大変優しいので、子供〜大人まで、どこでも人気ものの楽器なのです。

今回、中に入れるものでユニークだったのは、ピーナツを半分に割ったもの、細いパスタを細かく切ったもの、川の近くにある、細かい砂利や貝柄、ぎざぎざで大きめのビーズなど、音もそれぞれに個性的でした。

中に入れるものを決めるときは、音を決定する決め手になる作業なので、みなさん真剣でした。素材や、量など、さまざまに試して、試行錯誤していました。
中には、1本目の音が気に入らなくて、2本目に挑戦していた人もいました。

簡単な楽器つくりで、楽しんでもらえたら、と軽く考えていたのだが、以外にみなさん真剣で、なんとか会心の作をつくろうと、一生懸命になってくれました。

出来上がった落ち着いたころ、レインスティックの由来などの話しをしました。
南米では死んで乾燥したサボテンに風に吹かれた砂が入り、中のトゲにあたっていい音がする、というのを偶然発見したのが、始まり、といわれている。
病気治療につかわれたり、雨のない地域では、雨乞いの儀式にも使われたらしい。

手軽につくれて、いい音がするレインスティック、まだまだしらない方も多いようです。今回参加した方から、どんどん作り方が広まるといいな〜とおもった次第です。

尚この企画は、たくさんのイタドリを採ってきてくれた、スタッフの椎さんがいてくれて成立した企画です。冬にしか取れないイタドリを寒い中採りにいってくださった椎さん、ありがとうございました。


*写真は、余分なつまようじを切るまえのレインスティックです。この形が、ムカデのようでかわいい、と言って切らない人もいました。





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