■ よりかからない音2007.9.12


今日は(4/7)おつきあいのある、相模原・常福寺さんのライブへいってきた。常福寺では、毎年春と秋に本堂でライブや舞踏などの公演をしている。和尚の趣味で出演者はかなり前衛的だ。昨年はピアノの佐藤允彦さんも出演している。
いきなりプロコフィエフの戦争ソナタが聞きたい、というので、有森博さんという若手だが実力のあるピアニストを紹介したこともある。

また石庭のある客殿でも古典の会、というのをやっていて、昨年はそちらのほうで私も波紋音のソロコンサートをさせていただいた。本堂でも3回出演したことがあり、15年くらいのおつきあいがあるお寺である。

さて、今回は、高橋悠治さんのピアノと、カン・テイ・ファンさんのSAXの共演だった。

カン・テイ・ファンさんは私も以前新宿ピットインで共演したことがあるが、ディジリドウのような倍音だらけのSAXで、メロディーもなしにブヒャ〜と延々と続くSAXなのである。(循環呼吸なのでいつまでも続く)

対する現代音楽の鬼才・高橋悠治さんは、まずバッハから始まり、どこまでも美しい音で、ひたすら知的な演奏が続く。
それは、SAXとの即興演奏になっても変質しない。

SAXがブヒャ〜ブヒャ〜とffで演奏しているなか、ピアノが切り裂くように演奏することはあっても、けっして熱くなることはない。(ように聴こえた)

途中で雨が振り出し、ライトアップされた桜の花びらがヒラヒラと舞いおりるのを眺めながら、いろいろと考えさせられた。

ひたすら、何ものにもこびない、寄りかからない、美しいけれど、きびしい音。

それは、高橋悠治さんという稀有な存在の音楽家のありかたそのものなんだろうな、とおもったのでした。

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ミクシイ日記2007年4月8日より


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