ブリコラージュ2日目は、「おかあさんとあかちゃんへの波紋音・うたかたの音」です。
どうしてこういう企画を考えたか、というと、京都・法然院での波紋音コンサートに生れて数ヶ月の赤ちゃんを連れていらしてくださった、若いママMさんが、コンサート終了後くださった一通のメールから始まったのです。
そのメールには、波紋音の音を赤ちゃんに聞かせたいが、赤ちゃん連れだと、なかなかコンサートにいけないし他の人に迷惑になるのが気になって楽しめない、というような内容だった。
私も育児の最中は、クラシックのコンサートへ子供連れで行って、すやすや眠っていていいやと思いきや、すーすーいう寝息がうるさい、と振り返られ、場外退出の苦い経験があり、気持ちがよくわかるので、それではいっそのこと赤ちゃんを中心にしたコンサートをしましょう、 ということで、企画することになった。 最初は少人数で、といっていたのだが、途中新聞に出たりしたので、申し込み者がどんどん増え、結局25組の親子を相手にすることになってしまった。
これは大変なことになった。 私が赤ちゃんに興味を持ったのは、1対1でセッションなどすると結構おもしろかったからだが、これが25人となると、まったく想像がつかない。
スタッフも、初めてのことで、床をハイハイしても大丈夫なように、朝からみんなで雑巾がけから始まり、授乳コーナーをつくったり、おむつ交換用に布団を敷いたり、大変な気の使いよう。
階段から落ちないように見張りをつけようとか、あれこれ、打ち合わせしているうちに、だんだん、大変な企画を持ち込んでしまったかも〜と 少々反省モードになってしまう。
さて、時間がきて、次々に色々な赤ちゃんから3歳児までがやってきた。 演奏が始まってもあちこちで泣き声がするわ、子供の写真撮っているお母さんはいるわ、丁度ピクニックに来てそれぞれ好きなところに陣取ってお弁当でも食べてる風な景色の中、静かに波紋音を持って演奏しながら歩き回ることから始まった。ひとりひとりの子供たちに音で挨拶をして歩くていくと 気のせいか、少々静かになって来た。 小さい子供の顔を見ると、不思議なものを見るような目で音を聴いているようだ。
いつもはまったく声を出さないでひたすら演奏しているのだが、今日は、曲ごとに、ちょっと声を出して進行。
そうこうしているうちに、演奏が終わり、音遊びのコーナーへ。
子供たちに叩いていいよ〜と言うと、手でひっぱたく子はいいほうで 上に乗ろうとしたり、ひどいのは、足で蹴っ飛ばす子もいて、流石に やめてーを連発する私。 波紋音は2度と同じものが作れないので、お気に入りの波紋音は私にとってはとっても大事なものなのだ。
数人の子供を相手にしているうちに、うしろに妖しい気配がするので、振り向くと、安全確保のために台の上に乗せていたほかの楽器に触ろうとする別の子供グループがいるではないか。
それはダメ〜といいながら、また前の子供の相手をしているうちに、汗だくになってしまった。
以前青森の保育園で4歳児5歳児50人のクラスに襲われてすべての楽器を占領された事件の記憶が脳裏をかすめる。
これって、音遊びになってるのかな〜と思い、子供が絶対喜ぶ、シンギングボールに水を入れて、演奏する、というのをやってあげると、やらせろ、コールが。これは、難しいんだから、できないの、といってもダメ。前述の青森のときに水の中にバチを入れられてからは、こっちも学習して安全のため、水を抜いて渡してあげた。案の定擦ってもまったく音が出ない。だから言ったのに〜。
そうこうするうちに、おやつタイムになり、この企画きっかけのMさん手作りの顔のついたクッキーとお茶が配られほっと一息。
後半、交流コーナではドラムやってましたというパパとセッションしたりキャピキャピママともセッション。
こういうコンサートはあまりないですか〜とこちらから問いかけたら、ほとんどない、という。 キャンセル待ちで、やっと参加できたという若いママは、参加できてとっても嬉しかった〜と私に語ってくれました。
というわけで、この企画は、コンサートにいきづらいパパやママに喜んでもらえたようだったが、私がイメージしていた赤ちゃんとのんびり音遊びという世界には程遠いコンサートとなったようでした。 (それでもやってよかった)
音遊びできなかった子のために、ブリコラージュさん所蔵の素木でできたバラバラになる木琴や、外国製の玉がコロコロ落ちてきて、最後に鉄琴がチロリンと鳴るしかけのおもちゃを出してあげると、まだ幼い子供が上手に遊んでいました。
大勢の赤ちゃんを満足させるには、まだまだ修行がいりそうです。
でも、かなりこういう企画の需要があることは発見でした。
関西のミュージシャンももっとこういう企画してあげてください。 子連れママさんたち、本当に楽しそうでしたよ。
*************************************** 2007/10/3MIXI日記より
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