■ 07/11/23  浮舟について2009.1.7

2008年は忙しくて、ここのコラムをほったらかしにしてしまいました。
遅ればせながら、再開したいと思います。

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来月の能舞台が近づいてまいりました。
能舞台というのは、地唄舞の古澤侑峯さんが源氏物語を舞いにする、という活動をされていて、来月12月1日と2日に青山の能舞台・銕仙会でする公演のことです。

私も音で参加させていただくので、まずは背景を知らないと、と
日頃古典と親しんでいない人間ですが、ここ数日、今回のテーマである、源氏物語のにわか勉強をしていました。

今回は源氏の君がなくなってからの最後のほうの、物語のところで、浮舟という女性が、匂の宮と薫、という二人の魅力的な男性の間で翻弄される、というあたりが取り上げられ、タイトルで言うと「蜻蛉」「手習」「夢の浮橋」が上演される。

浮舟というのは、現代女性のようにはっきりと自分の意見をいって行動に責任を持つというのと反対のようなかんじで、いつもなよなよ、めそめそ、としている感じの女性のようです。男性にとっては、そこが、いじらしくかわいらしいのでしょうが、二人の男性に言い寄られて、断れなくなく、二人の間で苦しみ、自害しまうのですが、失敗して、尼さんになってしまうのですね。

二人の男性のうち匂の宮というのが、まったく色マメで、お話しを読んでいると、いつ仕事しているのかな?と思うくらい、情熱的に浮舟をくどくんですね。薫のものだとわかっていながら、どうしても手に入れたくて我慢できなくて口説くんです。匂の宮と薫は友人なので、ちょっとややこしい人間関係ですね。でもこれくらいしつこくされたら、たいがいの女性はなびくだろうな、と思ってしまいます。匂の宮は正妻がいて、愛人もいて、その上、ですから、かなりの精力家のようです。

この時代は、気持ちを表すのに歌を詠むので
文学的な素養も大事ですね。お手紙も頻繁に書くのですが、そのときにちょこっと一枝花を添えたりして、なかなかやることがオシャレですね。貢物も絹などの布など、下々のお仕えしている人にも配ったり、気配りも大事。

王朝文学に出てくる身分の高い女性は、なかなか男性の前に姿を現さないようで、男性が訪ねてきても、御簾の奥に控えているのですね。ここがいいですね。なかなか近寄れないから、ますます近寄りたい、というのが人情ですよね。当時は暗いし、近寄れたとしても、長い髪で半分くらいは顔が見れないから、声とかが今よりもっと大事な美人の要素だったのでしょうね。声とか香りとか教養とかが大事だったのだと思います。お話しを読んでいると、時代の雰囲気に酔ってしまいそうです。

さて現実の舞台に戻りましょう。
最初のシーンは、浮舟が過去の手紙を破くところから始まります。
今までの匂の宮との様々な恋愛模様を思い出しながら、でもそういうものと決別し、死を選ぼうとしているところです。

この回想シーンで最初の舞いがあり、そこの音が波紋音なんです。

う〜ん。むずかしい・・・。



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