■ 友川かずき初体験2009.1.12

昨日は(08/5/2のことです)打ち合わせを兼ねて、友川かずきさんのライブへ行ってきた。

会場の渋谷アピアは、以前ベースの吉沢元治さんのライブ以来だから
十年ぶりくらいだろうか。

渋谷南口を出て、数分歩くと、ハチ公側の渋谷とは正反対の昔ながらの狭くて田舎だった頃の渋谷のおもかげがあり、狭い路地を少し入ったところにアピアはある。

会場に入ると、50人も入るといっぱいになってしまうような、狭くて暗いステージがあった。

ライブは、6時50分からという。中途半端な時間だな、と思うと、そこへ友川さんではない若者が歌いだす。前座というのだろうか。その若者は、決してうまい歌い手ではないが、ひたすら一生懸命に歌っていて目が真剣だ。ここのところ恵まれた環境ですくすくのんびり育っている大学生とつきあっている私としては、おお〜こんな若者もまだ日本にいるんだ、と唄ではないところで、感心してしまう。

さて、本命の友川さんが登場。
なんでも顔面麻痺の病気から復帰後の初ライブだったらしく、会場は復帰をよろこぶファンで満員だった。

初めて聴く友川かずきさんの唄は、とても魅力的だった。
美声というわけでもない声で、歌詞もよく聞き取れないときもあり、
歌う、というより、その唄は、心の叫びのように聞こえた。


そこには、友川かずき、という人の人生が、しっかりとあり、そこで歌われている言葉は、彼の体から出た、まったくウソの無い世界であり、等身大の唄だと思った。


テレビから流れてくる、耳障りのいい唄とはまったく異質な唄である。
トークから察するとかなり生活は困窮しているらしい。やはり、この国では、アートすると貧乏になり、美術家でも商いのうまい人は金持ちになっている、というのは不変の原理のようだ。


共演の石塚俊明さん(ドラム)も、永田雅人さん(ピアノ・アコーディオン・ウクレレ)も、定型の伴奏、ではなくて、形的にはアウトしているのだが、音楽的にはまったくOKの素敵な演奏だった。唄のバックで、刻むだけでないドラム、というのは初めてだったので、とても新鮮。リズムを合わせないでもいけるんだ、という発見ができ、なんかとってもクラシック音楽に近いドラムだと思った。こういうのと比べるとロックのドラムがいかに単調なのか。(バンドに対してメトロノームの役目をしていて律儀ともいえるが)


友川かずき、是非一度体験お勧めします。
http://www.youtube.com/watch?v=QMKpN7dHb-o


素敵な絵も描かれていらっしゃいます。
http://shomeido.jp/gallery/contents/exhibitions/exh2006/200613tomokawa/200613tomokawa.html


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