■ 08/6/28群馬県立館林美術館「大地のちから」展 | 2009.1.12 |
私がコラボレーションしている、土の音の作家、渡辺泰幸さんの作品が展示されているので、6/28日土曜日に、群馬の館林美術館で行われている「大地のちから」展へいってまいりました。 浅草から東武線、りょうもう号に乗り、約一時間。館林で乗り換え、次の多々良という小さな駅で降り、とぼとぼと田舎道を歩くこと20分、畑の中に突然、モダンなコンクリートの建物が出現する、それが館林美術館だ。 建物に入ると、どこからかカーンと音がする、音のあるほうへ歩くと、若いカップルが土の音で遊んでいた。いつもおもうことだが、こういう何気ない音が遠くから聞こえてくるのが、心地いい。 土の音でパフォーマンスをするときには、いつも事前にサウンドチエックをしたりして忙しいのだが、今日はお客様として、のんびり鑑賞しに来たので、人のやっていることを眺めるのも楽しい。 今日は展覧会初日としてアーティスト・トークがあるので、それも楽しみにして来た。トーク作家は、伊藤公象さん、栗田宏一さん 、そして土の音の作家、渡辺泰幸さん 、の3人の予定。 まず最初は中堅の人気作家・栗田宏一さん。栗田さんの作品は以前から知っていたが、本人に会うのは初めて。栗田さんは、土そのものを採集して、インスタレーションする作家だが、今回は、ガラス瓶の中とガラスの小さな皿に入れたインスタレーションの2種類。トークによると、始めはパフォーマンスから始まったという話、歩くパフォーマンスをしているうちに、記念に色々なモノを持ち帰っている中にその土地の土を採集し出した、という話がおもしろかった。 へ〜そうだったんだ、とかおもっておもしろく話しを聞いているところへ、渡辺さんがやってきて、私に、「永田さんちょっと演奏しませんか?」とかささやくので、え?今日は、のんびり鑑賞にきたんんだから、あなた一人でやったら、とか返事したものの、そこは、やっぱり乗りやすいおっちょこちょいの演奏家だもんだから、じゃあちょこっとだけね。とかいうことで、なんだか、パフォーマンスするはめになった。 次は土の音の渡辺さんです。と言われ、あなたが一週したら、私でていくわね、とだけの打ち合わせで、パフォーマンスが始まる。マレットを持ち玉だらけの会場を歩きだすが、こんな大きな会場で、ちまちま叩いてまわったところでなんかな〜と思っていると、靴に小さな玉があたり、コロコロといい具合に動きがでてきて、いい音がする、これはいい、と靴で演奏することに、コロコロ回る玉はきもちいい動きだ。最後に大きな玉を手で動かし、ゴロンゴロンといった最後の玉は、美術館の壁までつきあたり、ゴロ〜ンゴロ〜ン・・・ずっと動いていて、なかなか止まらない、作品からの穴からは、焼いたときの黒い粉が出てきて、きれいな美術館を汚すわ、足は使うわ、で、ひんしゅくのパフォーマンスだったかもしれない。 あとから、聞いた話だと、ちょうど私がやる前に、子供がやはり足で蹴っ飛ばしていて、見張りの人に、おやめください、と注意されたらしい。この作品は、さわってもいいし叩いてもいいのし、足で転がしてもいいのです。(あまり強くけると、壊れるかもしれませんので注意が必要ですが) 最後に大御所の伊藤公象さんのお話し。 陶芸の土を自然の環境の中で凍らせ、焼いた、というその作品は、自然が創った造形というところが、とても共感した作品だ。ずらっとたくさんの陶土が並んでいる様は、大地のひび割れのようで、スケールが大きい。巨匠なのだろうが、優しそうな人だったので、ちょっとお話しをさせていただいた。自然の創った造形だからいいんですね、とか、作家に向かって言ってしまって、音楽家だからずうずうしくいえるというものか。 それぞれ世代も、作風もまったくちがう3人の作品を見れて、楽しい一日だった。ミュージアムショップで、ファイドン社のこどものためのアートブックを手に入れた。こどものためのアートブックは、海外のミュージアムショップでもいいのがあると必ず手に入れているのでコレクションが増えてうれしい。栗田さんの本にもサインしてもらったし、(ミーハーだね)今日は収穫が多かった。 群馬県立館林美術館のHPはこちら。http://www.gmat.gsn.ed.jp/ 栗田さんのブログです。http://soillog.exblog.jp/8507354/ 渡辺泰幸さんのHPです。http://web.mac.com/tutinooto/ 追記・上記の3人の作家のほかに、千葉で農業をやりながら、ドロを使った作品「ドロニンゲン」の作家、大須賀政裕さんのビデオや、青森の恐山など温泉などで色合いが変化した地表を撮影して発表している、中里和人さんの写真も展示されています。 |