■ 08/10/13天籟宮(近江八幡) ワークショップ「音を楽しむ」ダウン症天才青年との出会い2009.2.17

近江八幡の古民家カフェ・天籟宮での波紋音コンサートを終えた翌日、民族楽器を使って音を楽しむワークショップがおこなわれた。

私は以前から、こういった音を楽しむワークショップをする場合、アフリカのパーカションなど、民族楽器を使用することが多いのだが、これは、奏法が難しくなく、誰でも簡単に演奏できる、ということがまずある。木琴などの鍵盤楽器でも、西洋楽器とちがい5音階でできているので、どこからどう演奏しても、メロディーになるところがいい。

次にアフリカのパーカションは、瓢箪、空き缶、などで身近な素材をもちいながら、お金をかけず、いい音が出る工夫がしてあり、デザインも素晴らしい、こういった様々な理由から、民族楽器を用いている。

さて、今日のワークショップは参加者が少なくのんびりできそうでほっとする。

名古屋から昨日のコンサートにかけつけてくれた、友人一家の息子君、yusaku君がまず最初のお相手です。

レインステイックの、音が出る原理を体験してもらうために、片方が空いていて竹串が刺さっている竹筒に米を入れてもらう。これは体験してもらうとわかるとおもうが、米が筒に入って、きれいな音が出た瞬間、みなはっとしてくれるのだ。音が生れる瞬間に立ち会うという体験。

次に、竹と木製でできたスリットドラムでしばし遊ぶ。
yuusaku君は、どうも叩くより、穴にスティックを突っ込むことに熱心の様子。

そうこうしているところに、陶芸家Mさんの紹介で三重県・伊賀から来てくれた、玄君が両親につれられて、登場。
玄君は、ダウン症児の様子。私も色々な障害の方と会っているが、ダウン症の方は、音楽好きな人が多い、というのを知っているので、安心して向きあう。

アフリカの鉄琴を、さっと玄君の前にだすと、さっそく彼は即興でメロディ−を奏でてくれる、ときにばち同士を叩いたり、クロススティッキング(バチを交差に用いること)など用い演奏する、それがまたとてもきれいな音で丁寧な演奏スタイルだ。
なかなかやるな〜というのが、最初の印象だった。

次々に私が色々な楽器を提示するのだが、私がひとつアイデアを提案すると、玄君は、自分の発想で、そのアイデアをどんどん展開するのだ。
楽器も普通に叩くだけでなく、側面など、普通の人がたたかない場所も、試してみたり、と、プロのパーカッション奏者も顔負けのことを色々とやってくれる。

私の出す音に身体反応もする。
おもしろいので、ちょっと音と身体とのセッションでしばし遊ぶ。

これはただものではない、と思い、ご両親に、普段から音楽やダンスをされているのですか?と尋ねると、「はい、家でピアノなど色々な楽器を使ってコンサートしています。踊りもします」という御返事。

そうだったのか〜。

こうして、天才青年・玄君との楽しい時間はあっという間に過ぎたのだった。

実に楽しく有意義な時間であった。



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東京に戻ってから、玄君のお母さんから、ダウン症で素晴らしい活動をしていらっしゃる人がいますよ、と教えていただいたので、ここに紹介したい。

★ダウン症の書家・金澤翔子さん
先日サンデージャポンという番組にも取り上げられたので、拝見したが、その書は、なかなか迫力があり、ダウン症だから、ということを超えて見るものに訴えかけてくる。
3月に東京で個展があるようです。
http://www.shoko-sho.com/index.htm/index.html


★こちらは、ダウン症の方対象に美術教育をされている、アトリエ・エレマン・プレザンです。世田谷と志摩に教室があるそうです。
HPで、ダウン症の方の素晴らしい絵画作品が見れます。

http://www.element-present.com/html/history.html













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