■ 09/5/3 音遊会・第一回企画ワークショップ「即興で音遊び」2009.8.24

音遊会より依頼されたワークショプが中野zeroホール・多目的練習室で行われましたので報告いたします。




まず、今日のプログラムだが、今まで、自分が参加した、音楽、ダンス、演劇などのワーックショップの中でおもしろい、とおもったものから、自分流にアレンジしたものを、書き出し、だいたいのプログラムを組んでおく。

午前中はボディ中心のワーク。
午後は、曲つくり、ということ大枠を決めてあとは、そのときそのときで決めることに。

参加者がぼつぼつ来だす。

ダンスの新井英夫さんが、準備体操をしていたので、私も、とまねをする。みんなにもしてもらおうと、しばし準備体操の指導を新井さんにお願いする。二人組みで、体操しているうちに場の空気が自然になごむ。

私は、はい、はじめます、とかいうやり方は好きでないので、この導入はよかったな、とおもった。新井さん、ご協力有難うございました。最初が、肝心です。知らない人たちが集まっているので、なるべくスムーズな導入を心がける。(そのせいで、午前中は記録ビデオの撮影のタイミングを失ってしまったという失敗もあったが・・)

あとは、声をつかって、いろいろ遊ぶ。
手始めに、私がババババ、プププ〜、とか、ピッピピピ〜とか言うのをまねしてもらう。
最寄り駅の名前や、自分の名前を使って、音あそび。
ナガ〜〜〜タ、 サ・チ・コ・サ・チ・コ とか身体表現も使い名前で遊ぶ。これは歌ではないので、音痴の人でもなんでも、できるので、
青森ACACでやったときにも、結構遊べておもしろかった。
ただ、即興なので、こういうことがさっとできない人には、かえって難しいものなのかもしれないが・・・。

言葉でなく、オノマトペを使い、感情表現をする。人と人は時に、言葉ではなく、その人の表情や、身振りなどのほうから情報を得ているとおもうので、あ〜〜〜〜〜うう!うう!ふにゃふにゃふにゃ・・・など、音の高低、強弱などつけて、喜怒哀楽などを表現してもらった。

ここまでやったら結構動いて疲れたので、休憩かわりに、楽器紹介することに。さっとすませようとおもったのだが、みなさん興味をもってくださったので、私が振動をテーマにやっているようなワークショップと自然に移行していった。

そのなかから、代表的なものを上げます。

<レインスティック>
レインスティックの中の構造。これは意外に知られていないらしい。
中身が見えるものを持参し、そこに米をいれてもらう、音が出る瞬間を体験してもらうのが狙い。楽器として完成しているレインスティックはすでに小石などが入ってしまっているので、この体験はとても貴重だとおもう。米できれいな音が出る瞬間はなかなか感動的だ。チリはじめ、ボリビアなどの長いもの短いもの、手作りのものなど、様々なレインスティクの音を体験してもらう。

<音色の変化するギロ>
次にアフリカのギロ。これは普通の木の棒に刻みが入っていて、それをスティックではなく、木の実でこすることにより、音がおおきくなるのだが、そのうえに、また木の実がぶるさがっている。さてこれの意味を解る人はほとんどいない。この木の実を当てることにより、音が増幅されたり音色が変化するのだ。こういう楽器を知ることは、とても感動的だ。人というのはこれほどまでに、音を追求するものなのか、と考えさせられる。現代ではエレキ・ギターなどもイフェクターなどつけて音色を変化させたりするが、その原点を見るようで、私にとっては、とても興味深いことだ。

<発泡スチロールとボルト>
ただのボルトだが、発泡スチロールに乗せることにより、とってもきれいな音がする。これがボルトです、と言って、なんでもない普通のボルトの音を出してから、これをここに乗せるとどうなるかな〜とかいって、スプーンでチ〜ンと鳴らすと、わ〜〜〜という声がする。いきなりキラキラお星様が鳴るような世界にいってしまう。どこへいっても人気のボルト君。今回もすでに数人の方がさっそく作ってくれたようです。

<一枚の木>
これも私の好きなテーマです。
まず一枚の木片があった。響かせるために両足に乗せた。
足と足の間が共鳴箱になるのだが、アフリカの人は、身近にある瓢箪を使って、共鳴箱を作る。そしてバラフォン(マリンバ)ができる。
アフリカの人が奴隷として南米へ行くとともに、マリンバも伝わり、
それがヨーロッパへいき、瓢箪の部分が金属のパイプとなって、学校にあるマリンバとなった、といわれている。
これは、大学時代に見た一枚の写真がきっかけでわかったことです。
これに一番反応してくれたのが、ダンスの新井さんです。
これでダンスを創りたい、と言ってくれました。とても嬉しい言葉でした。



実は、この間も、誰がどんな楽器をいじっているか、密かに観察しているのです。

不思議に、人は自分の好きなものを手にとって、いじります。
きれいな音の好きな人は、きれいな音ばかりいじっています。
私が持参した、きれいなチャイム(弦に木の玉があたって音が出るもの)をずっといじっている人がいました。おもしろいな〜とおもってみていました。


即興でセッションするときなど、この観察時間がとても大事です。
青森ACACでは、こういう風にして、それぞれの特性を見て、私が楽器配分をしたりして、曲つくりをしました。

午後の報告は次の日記に・・・。


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