■ 09/9/28パリ・書とのコラボ | 2009.10.13 |
パリ一回目の演奏は、書とのコラボだった。 会場は、天理日仏文化教会のなかにある、ギャラリーで、エスパス・カルチャル・ベルタン・ポアレという長い名前のギャラリーだが、通称、テンリ・ギャラリー、でも通じる。 日本人が管理しているので、なんといっても言葉の問題がなく、日本人らしくテキパキと仕事してくれるので、日本人が使いやすいギャラリーといえるだろう。 日本語教室や、いけばななど、日本文化の発信の場としても様々な活動をしているところだ。 場所も、セーヌの近くで、映画で有名になったポン・ヌフ(新しい橋という意味)から近く、パリの中心地にある、ということも好条件だ。http://www.tenri-paris.com/ 書の嶋田彩綜さんは、何年もかけて、パリでの個展を準備されてきたそうだ。半紙に書いた書は、裏打ちという作業や、掛け軸のような額装をしなければならず、それにかなりの予算がかかる。打ち合わせしていてお話しをきいている、私が海外用にケースを作ったりして大変だ、というのとはスケールがちがう話だな、とおもった。 そのような思いをされて来た嶋田さんの個展に演奏を、と誘われたのは、やはり何かのご縁があったのだろう。嶋田さんは私と会うまえに、すでに演奏依頼を考えていたらしい。とても直感型の方らしく、音を聴く前に人から演奏の評判を聞いただけで、決められたそうだ。 会場に展示された作品を見ると、なかなか迫力があり、また繊細な線の作品もあり、みごたえのある展覧会となっていた。 古代文字というのが私にとって初めて見る文字で、これも興味深いものだった。 さて、個展初日9/28パーティーは午後5時半からなのだが、フランスの人は遅い時間にならないと集まらない、ということで、パフォーマンスは7:00過ぎに行われた。 狭い会場にぎっしり集まった人たちは、自分たちの目の前で書かれる書を一生懸命見ようと集中していた。 「波動」と大きな文字が展示されている前で波紋音を設置した。 当日書かれた文字は、「古代文字でかかれた文章」「夢」「波紋」、だった。 古代文字と夢、は楕円形の波紋音で 波紋は、大きい波紋音で表現した。 一文字書き上げると拍手が来てしまうので、とても短い時間の演奏だったが、終了後、とてもたくさんの人たちが来て、色々質問してくれて交流でき、楽しい時間を過ごすことができた。 会場が8:00までだったのだが、8:30になってもまだ私の周りに人がいて、会場の方がもう終わりにしてください、という声でやっとお開きとなった。 帰りのタクシーを予約してもらおうと思ったら、天理の人が、フランス人はあてにならない、とか言ったので、おかしかった。永年フランスで仕事している人が言うのだから、たぶん本当なのだろう。日本人にとっては、一度の電話で時間通りにきちんと来てくれない、という仕事のやりかたは、絶対に認められないことで、フランス人にとっては、それも人生さ(セ・ラヴィ)なのかもしれない。 学芸員の方の案内で、近くのシャトレまで波紋音を台車に乗せて運び、タクシー乗場からタクシーに乗り、ホテルまで無事かえることができた。さすが日本人、やることが早い。 このあと、パリ滞在中に何度もタクシーを予約しようとしては、なかなかすんなりいかないことがあった。 追伸・翌日、在仏日本大使館より、文化担当の渡辺公使がいらしてくださった。忙しい公務の間を駆けつけてくださって有難うございました。 |